くすの木歳時記

新年のお慶びを申し上げます!

 謹んで初春のお慶びを
          申し上げます

 拙院、平成5年に開業し、昨年開院25年を迎えました。
この地で開業し、今まで続けてこれたのも、本当に地域の皆様の支えあってのこと。
    心より御礼申し上げます。
  

 昨年は他県に比べて佐賀は劇的にインフルエンザの流行が少なく比較的平穏な暮れでしたが、まだまだ油断禁物。 
さて年始早々ですが、実は昨年、なぜか「アナフィラキシーショック」との関わりが多かったもので、医療従事者としては、ここらで真面目に情報提供を。
      
   アナフィラキシーとは?
  アナフィラキシーとは、アレルギーの原因物質(アレルゲンまたは抗原)に触れる、あるいは食べたり飲んだりした後に、数分から数時間以内に複数の臓器や全身にあらわれる激しい急性のアレルギー反応です。それにより血圧の低下や意識障害などを引き起こし、ショック状態に至り、対処が遅れれば死に至ります。 
 
 
拙院で経験したケース、すでにショック状態での来院、お話から過去の状態がアナフィラキシーショックと推測されたケースなど多彩ではありましたが、佐大での精査で原因が判明した中には、卵、スズメバチ、ムカデ、薬剤などのほかに、天ぷら粉内のダニ、などもありました
こういうのが症状とされておりますが、なぜかすでにショック状態近く拙院に来られたケースは、血圧上昇、急激な身体の部分的なむくみ、なども見受けられ、
「アナフィラキシーで必ずしも血圧低下とは限らない」
を実感しました。
 ただ、アナフィラキシーで来院された方は、「自分の身の上に、ただならぬ事が起きている!」という感触があったようです。その漠然とした「自己防御本能」みたいなものが、一命をとりとめる結果になったような。
 一度起きたアナフィラキシー反応は、再度の抗原への暴露でさらに重篤な反応を引き起こします。数秒が生死の分かれ目になることも。
 で、風邪とかで来院された時の、「何気ない話の流れ」で「過去のアナフィラキシー反応」が疑われる場合は、たとえご本人がどんなに拒もうとも「脅してまでも(笑)」大学病院に受診していただいております。
なにしろ臆病な院長なもので、ハイ(笑)!
本当に1秒を争うような状態ですが、ありがたいことに拙院は大学病院と目と鼻の先。救急部に電話しつつ「救急隊到着を待つ時間が惜しいんで患者家人の車にうちの看護師を同乗させて搬送します!」みたいな事もありました。
 薬剤性のアレルギーは、たとえ「過去に何回も服用して大丈夫だった」ような場合でも、ある日突然アレルギー反応を起こす場合もあります。滅多にない事象ではありますが、いつ我が身におきないとも限りません。とにかくは、こんなちょっとした情報を、頭のほんの片隅でいいですから残しておいていただいて、万が一の時に役立てていただきたい。
「これはヤバいかも」のその勘が、誰かの命を救うかもですよ。
 昨年は何かと自然災害も多かった。
今年が皆様にとって佳いお年でありますように。